私たちの望むものは

日本映画専門チャンネル「日本の悪霊」。原作を読み終わったので観てみたが、スタッフが自分らのメッセージに必要な設定だけいいとこどりして、それ以外はまったくの別モンになってて唖然とさせられる。せめて原作に準拠してるのは資産家の襲撃シーンくらいのもんで、それにしたって犯行後に犯人が紛れ込む祇園祭が町内会のお祭りレベルにスケールダウンしてるのはどないねんと。翻って原作と別モンと考えれば映画の出来そのものは悪くなくて、黒木和雄らしいドキュメントタッチの迫力と、脈絡なく画面に現れては歌まで一発かましていく(フォークの神様だから当たり前だけど)岡林信康がとてもカッコいい。ところでこの映画でも安定のキ印だったリアル・プロフェッサーギルの土方巽って果たして普通の人間と会話が成立してたのかしらん。1970年。