習慣とは気違いの一種ではないでしょうか。

石川達三「若き日の倫理」読了。「青春の蹉跌」を読んで感動してからこちら、石川達三の作品を手にするとなぜかしら襟元を正してしまう。昭和11年から同36年までの短編集で、心身で勁烈な女性像をペーソスありユーモアありで描いた所収の作品ほとんど面白かった。大満足の一冊。石川達三はいいぞ!

ロジャー・ゼラズニィ「地獄のハイウェイ」読了。かの「世界が燃えつきる日」の原作本で、ランドマスターが模した装甲車はスペック満載で登場するけど、核戦争後の世界と巨大生物(でもサソリは出ません)以外は全然まったく映画と関係ないみたいな。でもランドマスターと並んで映画の売りだと思ってる異常な空模様がちゃんと登場するのは「時計じかけのオレンジ」のマンションの壁画と同じくらい感動する。挿絵もカッコよく、映画と同じくらい面白い原作だと思う。

フレドリック・ブラウン編「SFカーニバル」も読了。ひとりの作家の短編集だと結構アタリがあったりするけど、アンソロジーとなるとハズレが続きやすいのはこれはもう致しかたなく、この本も10本中で2本くらいしかアタリがなかった。そのアタリにフレドリック・ブラウンが含まれてないとフクザツな気分。

東映チャンネル「空飛ぶゆうれい船」。30年ぶりくらいにちゃんと観るけど、相変わらずビックリするくらい内容がなくてやっぱりビックリ。全編これスタッフの趣味で作ったみたいなアニメで、東映動画も題材によほど困ってたと言うか、ようもまあこんな映画にゴーサインが出たとは思う。作画もメカニックも怪獣も英語の町並みも文句なしでカッコいいけど、ゴーレムよりホルスのモーグのがひゃくまんばいいいと思ってる自分的に結構どうでもいい映画。