ずる休みをした少年が

ヘミングウェイ武器よさらば」読了。舞台になる第一次世界大戦日露戦争と10年しか変わらないのに、先の「肉弾」に比べると長閑にもほどがある描写は本国が戦地になったことがないアメリカ人の民族性なのかしらん。とまれ戦争文学が中盤からほとんど戦争と全然関係なくなっても、さすがにヘミングウェイはハズレなく面白かったけど(なぜか「老人と海」だけゴミ)、それ以上に素晴らしかったのが概要を解説する「運命たる敗北に直面して弱音を吐かぬこと、男らしく黙ってそれに耐えること、それが人間のなし得る、また為さねばならぬ唯一のこと」の一文で、どれほど読み込めばこの解釈に到達するのか想像もできない。