坊ちゃん

ヘミングウェイの「武器よさらば」を中断して、迷って買った櫻井忠温「肉弾―旅順実戦記」読了。日露戦争最大の激戦地、旅順攻略の戦記録でやっぱり戦争もの。格調高い筆致が実にカッコよく、作者以下、総員に一片の逡巡もない玉砕戦は圧巻の一語。個人が国家にこれほど奉公できるものかと感服する。この実録に比べたらプライベート・ライアンの冒頭シーンなんてハナクソみたいなもんではないか。ちなみに喜八の傑作「肉弾」とは関係ありません。