キングシーサーだけじゃ!

日本映画専門チャンネルゴジラ対メガロ」。ジャリの時分に映画館で見た思い入れと言うのは実に恐ろしく、箸にも棒にもかからないのが分かっててもなんか捨て難き映画。奥様コーラスが素敵な「ゴジラジェットジャガーでパンチパンチパンチ!」が家にあったからことさらに。しかしこの映画が盛夏の公開ならジャガーの代わりにゾーンファイターが客演してたかもと思うと残念にもほどがある。つかなんで世間的にアゲアゲだった「流星人間ゾーン」が劇場用新作どころかブロウアップ版すらチャンピヨンまつりにラインナップされなかったのか謎。福田純監督で1973年。

同「ゴジラ対メカゴジラ」。近所の銭湯(アポロ湯)で図解イラストのポスターを初見して、こんなもんにどないしてゴジラが勝つねん!と期待と不安あい半ばで観にいった映画。そしてその顛末はご存知の通り。ゴジラゴジラゴジラメカゴジラメカゴジラメカゴジラゴジラ対メカゴジラ!のウルトラにカッコいいタイトルに続く、のんきにもほどがあるオープニングはいまだ観るたび腰が砕ける。ベルベラ・リーンがフルコーラス歌わないと目覚めないキングシーサーにも萎え。ウエショーよろしく本土人に密かな敵愾心を抱く天願のじじいにも萎え。しかしムガールに青山くんのキャストにメカゴジラほかの怪獣とも、これほど魅力的なキャラクターを揃えてなお退屈な怪獣映画ってむしろ珍しいのではないか。これも福田純監督で1974年。

同「メカゴジラの逆襲」。さすがにバカなお子でも2度はだまされず、当時観てないぶんもことさらどうでもいい映画。そしてトクサツですべてを賄う連中に人気のサイボーグ少女に心からうんざりする映画。ついでに死ぬほどカッコいいオープニングに騙されて前作を観るとえらい目に会うことうけあいの映画。本多猪四郎監督で1975年。