私が来月NASAのスペースシャトルで飛び立つのと同じくらい絶望的だ

ダグラス・ケネディ「仕事くれ。」読了。原題は「THE JOB」で邦題は正しく内容を伝えてない気がする。広告代理店を戦場にするエネルギュシュなエリート・ビジネスマンの栄光と挫折。謀略の果てにリストラされた主人公が、持ち前の行動力と誠実さ(それでいて恐るべき浪費家)をもって再生と逆転への道を歩みだすのかと思ったら、ビジネス犯罪に巻き込まれ系ポケモンみたいになってまるで近年のハリウッド映画のような展開へ雪崩れこんでいく。「再就職サスペンス」のサブタイトルはどないなってねんと思いながら読み進んだけど、これはこれで700ページを数日で読んでしまうくらい面白くて読み応えもあった。文章のスピード感に迫力も申し分なく、結構拾いどころも多くて、たまにはこんなのを読むのもいいなあと思ったようなハナシ。