僕は太宰さんの文学はきらいなんです。

三島由紀夫「太陽と鉄」読了。表題作は観念的すぎてさーっぱりワカランかった。土台この本を手にした動機がダグラムサンバルカンソルブレインまで、「太陽」なる単語が好きだったからの一点では致し方ないけど、ミシマが戦争の破壊と腐敗を照らしてきた太陽を死のイメージと見るのは目新しかった。あと華美な筆致が似合うF104戦闘機の搭乗記はジェラルミンの機体を男根に、自分を射精を控えた精虫に見立てたユニークな一節が印象的。ひるがえって併載で三島由紀夫の文壇デビューの前後を描いた「私の遍歴時代」は、機知に富んだ筆致が踊るように続いて素晴らしく面白かった。戦中戦後の重鎮や文士のみなさんが分かればきっともっと面白いだろうと思うと自分の浅学菲才がいまさら恨めしい。

東映チャンネルのグレンダイザー。なにひとつ辻褄が合ってない「恐怖のエアロライト!」は田村多津夫の筆も、森利夫が最初のごふんくらいしか手を入れてない作画もサイテー。だいたいエアロライトってなんやねん。続く「決死の雪山脱出作戦」は一転、ウエショーと荒木センセで、前回の荒木回が藤川桂介のおかげさま馬ばっかり(ブルーペガサスを思い出す)だったぶんも楽しめるけど、サブタイトルと内容は実は全然まったくカンケーありません。