女の子と言うのはこの世に生きてるうちは芋虫なのよ

vakisim2013-11-22

レ・ファニュの短編集「吸血鬼カーミラ」読了。かの「血とバラ」の原作とポスターにも描いてるけどバディムが拝借してるのは登場人物の名前とレズビアンな雰囲気だけ。あと所収の短編でもまあこれは面白かった(つかマシだった)かなと思ったのは表題作と、珍しく日本の幽霊みたいに陰湿な舶来オバケが登場する「大地主ドビーの遺言」くらいで、200年近く前の作品なんてやっぱり古過ぎる。あと翻訳も同じ平井呈一の「吸血鬼ドラキュラ」に比べると全然まったくダメだった気が。

そんで口直しに「血とバラ」を観る。バディムは人気の「バーバレラ」すら大丈夫かと思ってるクチだけど、この映画だけは別格。百合ファン必見、ついでにセブンや怪奇大作戦のファンも必見の永遠の耽美映画。それでいてジョルジアがバディムの嫁はん演じるカーミラに吸血されるイメージのおぞましさも凄い。ヒーロー映画としてこれまた別格のフイッシャーの「吸血鬼ドラキュラ」にも拮抗しうる吸血鬼映画の傑作。ロジェ・バディム監督で1960年。あと個人的に三つ編の可愛い女の子がいっぱい出てくるのがなんたっていい。

しかしこの2作の本邦版ポスターは時代やジャンルを考えると仕方ないとは言え、格調高い内容に比べるとどっちもいまいちの意匠で残念すぎる。