凡庸性の法悦に向かっての密かな激しい憧憬

vakisim2013-04-18

WOWOWシネマ「ワイルド・エンジェル」。実在した暴走族「ヘルス・エンジェルズ(健康な天使でなく地獄の天使)」にバイクにまたがったピーター・フォンダを放り込んで撮ったとんでもない映画。この映画こそ「イージー・ライダー」の原点である!なんて寝言をかましてる連中はどっちかの映画を観てないか、あるいはどっちの映画も観てないと思ってまあ間違いない。まともな大人なら自由の意味を取り違えたピーター・フォンダ率いる暴走族の幼児性と、それに伴う残虐さに辟易することうけあい。これがバカ受けしたらしい当時の、ドラッグと同性愛に爛れたアメリカの程度の低さが窺い知れる。あえて褒めるならピーター・フォンダブルース・ダーンの同性愛を埋没させた関係が、映画や漫画を観るときのテキストとして分かり易いところくらい。ロジャー・コーマン監督の圧倒的に多いハズレ映画の部類で1966年。

トオマス・マン「トニオ・クレエゲル(岩波文庫)」読了。ここ最近オタクとして遅すぎる自覚と、懊悩していたことがテーマ違いでまま描かれていて一驚する。なんぼ本作が「読者がそこに自分の自画像を読みとる作品である」と言っても出来すぎではないか。

ATXシュタインズ・ゲート」。何人かに勧められたんでいまさら観てみることにする。いまんとこ女の子総登場っぽい2話まで観たけど、ハナシが難解すぎると言うか主人公が中二病すぎると言うか、ちゃんと面白くなるんでしょうねえ?