南紀白浜!

ラディゲ「肉体の悪魔」読了。緻密な心理描写に瑞々しい筆致が素晴らしい。でも病的なほど倫理観が欠損した主人公は到底許されるものではない。併載の戯曲「ペリカン家の人々」に「17世紀の子供たちはいまの子供たちより躾が悪かったろうからね」とあったけど、まさに20世紀初頭のおフランス人の躾の程度がうかがい知れると言うもの。と言うわけで主人公がサイテー、この親にしてこの子ありで父親もサイテー、ジャックが気の毒すぎるオチがサイテー、なによりこれがはんぶん自伝らしいのがサイテーで、そんなんやから死後50年も経って怪人に名前を使われるんじゃいと。

ホテル古賀の井のテーマソングが十田敬三だったと聞いてそうか!と思う人ってどれくらいいるのであろうか。