アテンション・ナウ!

宍戸錠っていま79歳と言うことは、キャプテン・ジョウをいまの自分より若いぐらいで演じてたってことで、ちょっと唖然とする。

スターチャンネルシンシナティ・キッド」。まさかあそこでマックイーンが負けてしまうとは思わなかった。劇中、マックイーンが思った札を相手にとらせるトランプの「フォース」を披露するシーンがあったけど、それこそエドワード・G・ロビンソンの負けを確信した誰もが、監督のノーマン・ジュイソンの巧みなフォースにひっかってしまったような按配ではないか。個人的にギャンブラーには女性は禁物のセリフの通り、黒人少年とのコイン投げの賭けにすら負けてしまう、勝負の下り坂に向かったギャンブラーの哀愁が心に残るラストシーンでも、やっぱりヒロインのチューズデイ・ウェルドが蛇足になってしまったのは残念。1965年。

雨Vがおススメと言うことで「アンモラル・カスタマイズ」と「危ノーマル系女子」を送ってくれた。前者は女性雑誌を編集する4人(ムササビ含む)のレギュラーだけでよどみなくネタが続いて窒息しそうになる漫画。鋭敏な観察眼、そして説得力に裏打ちされた悪意はまったく不快さを感じさせない。絵はヘタクソ。
後者は電波系とか殺人鬼とかストーカーとかマゾヒストとか吸血鬼とか、通常ひとりいれば腹いっぱいの超異常者だけでギャルゲーを立ち上げたみたいな漫画。死の匂いのする危険人物ばかりの脆弱な世界観が、キャラ紹介が終わったあと、どこまで維持できるのか、いささか心配になる。眠り姫とか可愛いけど使い道があるのだろうか。とまれどちらも面白かったので感謝。後者はせんぐら本の今後の傾向への含みもあるのかも知れない。
ところで「危ノーマル系女子」の魅力の9割を占めていると思う絵は、なかでもマゾヒストとか、さまざま残念なことになった「ヒャッコ」のそれにそっくりだったけど、描いてる人はアシスタントかなんかなんかしらん。