渚にて

NECO で「吸血鬼ゴケミドロ」をやってたんで20年ぶりくらいかしらん見てみる。墜落した旅客機の生き残りに金子信雄がいる時点で誰一人助かる気がしない(実際は吉田輝男と佐藤友美が助かるけど)のはともかく、いま見ると高久御大の脚本がなんかいちいち突拍子もないのはご愛嬌といって良いものか。でも付け傷のバリエーションから勃起傷をつけた高英男が犠牲者に迫ってくるシーンが佐藤監督の真骨頂で恐ろしくもカッコいいので許す。ちなみに自分はゴケミドロの主人公は吉田輝男でも高英男でも金子信雄でもゴケミドロでもなくて、「隠し砦の三悪人」も撮影した茨城の野洲と、和歌山まで探したらしい橋杭岩のロケーションだと思っている。

ところで外宇宙の知的生物にゴケミドロなる謎のネーミングは、佐藤監督がシナリオ読んで苦笑した初稿「吸血鬼ゴケミドロ」に登場する、幼稚園の近所の沼に潜んでせむし男の怪事件をうかがっているアオミドロならぬ不思議生物ゴケミドロが松竹の大いなるセンスで残ってると思ってたんだけど、なんか現在はゴルゴダの丘のゴ、ケミカルのケミ、アンドロイドのドロを組み合わせてゴケミドロとかまことしやかにコーショーなことになってるみたいで、バカじゃねえのか。