時あたかも、一九七四年四月五日のことであった。

ファミ劇ウルトラマンタロウは最終回。ハンブンは篠田三郎のおかげで迎えた見事な大団円が、後年、台無しになるとは当時は予想だにしなかった。やっぱりレオでウルトラシリーズが終わらなかったのはタロウ最大の不幸だったと言える。シナリオ的には「そんな苦労をキミにだけはさせない」は「そんな苦労をキミだけにはさせない」の間違い。あとラストシーンに東京・新宿のテロップは欲しかった気がしないでもない。

東映チャンネルの劇場版「大鉄人17」はテレビシリーズのパイロット版、「謎の鋼鉄巨人」「地上最大の巨人頭脳」をブロウアップした編集版で、流石に20分強ではすげえ駆け足。でも大迫力の矢島特撮はやっぱり見ごたえ充分で、ローラーロボットもハリケーンロボットも死ぬほどカッコいい。それにつけても掛け値なしの傑作を予感させた少年と巨大ロボットの壮大なディスカッションドラマの幕開けが、あんなマヌケにもほどがある顛末を迎えるとは、やっぱり当時は予想だにしなかった。