だまされないゾ、魔王デカンダ

きっぱり世界で一番サンダーマスクの好きな友人から「封印作品の謎2」なるノンフィクション本を借りてくる。お目当ては第4章の「ウルトラとガンダムの間に・サンダーマスク」である。斎藤ひろみや平田昭吾、森田義一まで及ぶインタビューを伴って噂の真相を冷静に拓いた筆調は、当節の解説本では入魂の一冊と思える。ところが所詮は墓暴きに過ぎない読後感の悪さは如何ともし難く、また別章にて80年代オバQを60年代オバQと同列で語ったり、あるいはひろみプロとガンダムに言及しながらコン・バトラーVの記述が一切なかったり(ナック製作のバトルホークも同様)、巻末の諸作品の封印が解除された経緯の一切オミットしたりと、著者の作品への愛着のなさや、その視野の狭さ、無責任さが非常に鼻についた。とりあえずサンダーマスクのフィルムのおおよその所在が判明したことを収穫とするが、それでも値段ぶんには遠く及ばない(自分は買ってないけど)。ところで所載の上原正三の口述から、脚本にある描写を低予算から断念せざるを得なかったサンダーマスクのスタッフの無念はいかほどだったかろうか。当時のテレビガイドで「サンダーマスクは俳優に金をかけないぶん、特撮に力を注ぐ」と森田プロが言い放ったコメントは一体なんだったんか知らん。

サンダーマスクと言えば先週のまじぽかのバックアップディスクの画面が悪かったこと件の友人に話したら“そんなもんおれのドリリングの画面に比べたら全然ええわい!”と一喝されてしまった。ごもっとも。

劇場版カブトの前売券特典は仮面ライダーカブトクロックアップVerらしいが、ひょっとしたらトンチを利かせて空箱にソフビが入ってるつもりとか?