デビルズタワー

牙狼」の「美貌」は、梶研吾が脚本と監督を兼任しながら前章とは一転(サンダーマスクの勝也くん風なら “顔がふたつあるなんてズルイや!”なんて趣向とは言え)、第二の魔戒騎士の登場で高いテンションの一編に仕上がった。カオルの“また?”に象徴されるシンプルなプロットに参入する魔戒騎士・零を演じる藤田玲も、仮面ライダーデルタと変わらない芸風で、しかも井上のデルタほど嫌味がないのが嬉しくなる。また劇中、空中に浮かんだ墓石に乗り移るホラーの素晴らしいイメージは、いまやアニメに凋落したCGを特撮たらしめる好例と言える。ところで雨宮慶太のデザインワークと並ぶ「牙狼」最大の呼び物が、俊英・横山誠の殺陣であるのは異論を待たないが、今回も魔戒騎士は無論、怪物にチンピラに及川奈央までカッコいいその立ち回りは、いまや十年一日のJAEのそれとは隔世の感があり、次回の魔戒騎士対決への期待もいやがうえにも募る。

ところで金欠がままるに散髪を頼んだら、なんだか冴島鋼牙みたくなってカッコいいぞ。

仮面ライダー響鬼はサブタイトル「始まる君」が何も始まらなかった。

親父に連れて行ってもらった唯一の映画「未知との遭遇ファイナルカット版)」をスターチャンネル・クラシックで放送。実にロードショウ以来の再会になる。小学生には難解だった究極のカーゴ・カルトも、特撮と本編ともそのカットのほとんどが記憶に鮮明だったのは驚いた。しかし「未知との遭遇」に「E.T」と、映画史上稀に見る2大友好宇宙人を描いたスティーブがいまや殺しが命の「宇宙戦争」とは、(父の日ネタの波平でないが)時勢だ。