白黒つけるぜ!

vakisim2005-10-12

東映チャンネルで放映中、梶原作品でも原作の間隙を埋めるエピソードも見どころが多い「タイガーマスク」を楽しんでいると、にわかに中嶋製作所の「わるものレスラー」シリーズを揃えたくなるが、それらが「梶原一騎辻なおき」の原作版だと思い出した途端にその意欲が萎える。私的にアニメより原作のが好きなのはりっぱなしまうまザ・グレイト・ゼブラくらいで、翻ってシリーズでも珍しかったミラクル3を初めて見たときの失望は多分一生忘れられない。画像は同シリーズで唯一押さえているマスクをとったら伊達直人ことタイガーマスク

自分が白倉なら決して井上を手放さない「仮面ライダー響鬼」。わずか30分にこれだけ色々と詰め込んで、ささやかなカタルシスで番組をまとめる脚本家が他にいるなら連れてきていただきたい。食に生ありの井上脚本を得て死から生に転身したキャラクターの布陣なら、コメディ路線に転換するのも当然。就中、魅力的になったヒナカと明日夢のふたりに、いまや完全に脇役に廻って、だからこそキャラクターが頭角を現したバカ殿・イブキさんも言うことなし。石田演出はフィルターがウザいが、誤解が氷解した途端に調子をこく鬼たちの活躍も過不足なく、次週は女の鬼戦士も登場するバラエティぶりも素晴らしい。指輪場面で(ギルギス星人のときの光二よろしく)1人でうどんを食ってるヒビキさんと、凍鬼のキャラクターに取り込まれたザンキさんにも萌え。

ところで響鬼のレビューを書いている大勢が、日曜の朝からマジレンジャーからプリキュアまでしっかり見ているのは、なんか約束事でもあるのか知らん。

かみちゅ!」は最終回。ゆりえ様はどうでもいいのでその恋の行方もどうでもいいが、あるべき美少女キャラ(特に祀ちゃん)がリアルなつもりの作画で可愛くないことこのうえない。しかし所詮R.O.Dテレビのスタッフなら端っから過度な期待もなく、全編ストレスなく見れたのでまあよし。

いつもアタマの隅っこで見たいと思っていた「スピード」がテレビ放送で幸い。しかもデジタルリマスター。絶対に死なないとわかっているヒーローがそれなりのリアリティをもって数々の難関を突破して、宿敵との一対一の対決の果てに勝利とヒロインを掌中とする。まったくヒーローもののセオリー通りの快作で、劇中キアヌの台詞よろしくアクションものに珍しい格調の高さは、かつてのレニー・ハーリン作品にも似たところがある。トクサツ的にはラストの地下鉄脱線シーンをちゃんとミニチュア撮影しているのも嬉しい。リアル怪人のデニス・ホッパー「スピード」の爆弾魔に続いて翌年の「ウォーターワールド」のディーコンの怪演も忘れ難い。

クラスターエッジは池田成がいまだに業界にいられる不思議。狙いすました美少年揃いからお馴染みガンダム組と、別の一群が高橋留美子キャラを丁寧に描いたみたいと思ったら、キャラデが犬夜叉のヤツだった。

灼眼のシャナは渡部高志に小林靖子で面白いものができるはずがない。

雨宮慶太の新作で深夜のトクサツ番組「牙狼」は、ヘンシン前のスタイリッシュな主人公もそのアクションも素晴らしくカッコよくてワクワクしたが、肝心のヘンシン後のそれは凝り過ぎたビジュアルがむしろ興醒めで大失敗。どうにも絵描きのプライドが雨宮慶太の仕事を邪魔するようだが気のせいか。

シリーズ第2弾の主人公は大勢が能天気になる不思議と、だから人気が出ない道理。誰が楽しみにしているのか知らん「トップをねらえ!2」とまったく同じ導入部だった舞ヒメゼットのヒロインは、しかし前作のそれに比べてひゃくまんばい好みではある。