不幸への年貢を納めてしまったのだ

スターチャンネル「鷹」。元ギャングドロン48歳。仮出所したドロンが逮捕される直前に隠したダイヤを巡ってギャングたちと対決する。監督、脚本、製作に主演と役満ドロン映画はいつも通りでむしろ安心して観ていられるけど、面白いかどうかはまた別のハナシで日本未公開も当然みたいな。共演はのちの二キータのアンヌ・パリロー

東映チャンネルのガ・キーンは回を追うごと藤川桂介回以外は全然まったく問題なくなっていくのはむしろいかがなものかと。キャラクターの蟠りだけでハナシを進める藤川桂介が日本のアニメとトクサツをダメにした張本人のひとりなのがここでまた浮き彫りになる。そのファンはいちど自分の人間性を疑ってみたほうがいい。

藤川桂介と言えば自伝でミラーマンへの苦言を呈していたけど、どんな経緯でミラーマンを降板させられたのか(例によってアロザとスフェノドンがあまりにも似たハナシが理由ではないのかと思うけど)実に気になる。ついでに元祖円谷メンバーが揃ったシルバー仮面に招聘されなかったことで周辺の評価とその実力はお察し。

同局ゴレンジャー。全話観たのは何年ぶりになるやしらん。マッハバロンやゲッターロボGなんかと同じく戦略に特化したスパイ・アクションのゴレンジャーのシナリオはウエショーの独壇場で、監督陣のマニアックな絵作りも元祖ラップ「見よ!ゴレンジャー」に象徴される長寿番組の余裕も素晴らしい。皆勤賞で用意されたような明日香やペギーのエピソードに、あまりにも唐突な最終回もそんなゴレンジャーらしいと言えばらしいけど、各番組一斉のキャラクターの増員で大野剣友会からJACに刷新されたアクションだけは残念。ちなみにシリーズ最高傑作はやっぱり機関車仮面戦ではないかと思う。

ナサニエル・ウェスト「孤独な娘」読了。寓話と言うにはあまりにもグロテスクな、そしてとりとめない展開はシュールの一歩手前で踏みとどまって、作品をさらに病的にして読み出すと止まらない。巻末の訳者解説も流石は岩波で興味深い。終盤の展開がどこかフィッツジェラルドの「華麗なるギャッビー」っぽいと思ったら、ふたりは友人だったらしくて納得。

JVゴッホ・ボンゲル編「ゴッホの手紙(中)」読了。上を読んでから2年が経ってしまった。南仏での孤独や金策が影を落としながら、仕事にまだまだ前向きなゴッホの書簡は読んでいて楽しく、画壇への的確な見解は素晴らしいと思う一方、これからゴーギャンとの共同生活を経た関係の破綻や、子供でも知ってるアレがあるかとおもうと淋しい気分になる。ちなみに下巻はなぜかしらんアマゾン含め何処にも売ってませんのでチューイ。