バルゴンの虹

眠れないくらい立て続いた大きな仕事がようやっと終わってふた月ぶりに何日かまともに休もうと思ったら急な仕事が週末に入ってさびしい気分に。しかも勇躍臨んだエキスポシティの映画館ではプリキュア映画をやってなくてさらにさびしい気分に。

スターチャンネルプレステージ」。美術商ドロン41歳。まるでクイックを飲んだドラえもんみたいないらち(関西弁)っぷりのドロンが美術品の売買を舞台に生き急ぐハナシ。しかし生き急ぐあまり研ナオコそっくりのミレーヌ・ダルクに七ヶ月で子供を生むようせっついて逃げられるキャラクターは神経質な美男子ドロンにぴったりではないかと。紀元前の壷を巡るオークションの手に汗握るやり取りが見どころで、そのほかさまざまコレクター心理を上手く描いて面白かった。

同局「リスボン特急」。警視ドロン37歳。メルヴィルの遺作で、銀行強盗に麻薬強奪のハナシは全然まったくたいしたことないけど画面の、とりわけラストシーンの美しさですべて許されるみたいな映画。あとリスボン特急を追跡するギャングらのヘリコプターのミニチュアトクサツはおフランスにしてはなかなか頑張ってる。旦那を射殺されるカトリーヌ・ドヌーブ(この名前を見るたび山上たつひこのあの漫画を思い出して困る)よりも密告者のおかまの兄ちゃんが可哀想だったのは余談。予算の都合か書き割りが多かったのが気になったのも余談。

地上波「シン・ゴジラ」。正直観たら観たで面白いんだろうと思ってたけど、ふたを開けたらまるでアニメのような(アニメだけど)トクサツシーンに全然まったく緊張感がないおかげさま、ええ大人らが揃ってゴジラごっこをやってるようにしか見えなかったのはどないやねんと。