全能の神が唯一知らないのは全能でない者の苦悩だ

「しつこさの精神病理」久しぶり春日先生の著書を読んでみる。ウィットに富んだ筆致は相変わらずうっとりするほど上手い。こんな文章を書いてみたい。しかし内容はいまひとつでガッカリみたいな(こればっかり)。お得意の小説から引用しての精神分析から、菊池寛の凄惨な時代小説を平田弘史(平田弘と間違えてたけど)の劇画みたいと言ってみたり、毎月なんべんも帰ってくる火星探検隊が恐ろしいディックの「探検隊帰る」を登用してたのは楽しかった。あとこちらも菊池寛の「恩讐の彼方に」って、まんま「エル・トポ」の啓示編みたいだけど、ホドロフスキーって菊池寛の愛読者だったのかしらん。