大怪獣空中戦

時代劇専門チャンネル羅生門」。蛮勇に鳴る盗賊役の三船が端正すぎてさっぱり凶悪な感じがしないけど、モノクロ映画の陰影が素晴らしく美しいヒューマニズム映画の傑作。芥川龍之介の原作「藪の中」の武士が死にっぱなしのラストより、志村喬が捨て子を抱いて羅生門を去る映画のラストのが希望があって絶対いいと思う。黒澤明で1950年。京マチ子の髪型が若菜そっくりだったり、姿を見せない検非違使と三船らの質疑応答がこれまたせんぐら的だったり、森雅之の霊が乗り移った巫女がなんかヤプールっぽい(同じ声優の魔人サソリにも似てる)迫力だったりと、そっち方面でもなかなか楽しい映画だった。あと常田富士男とばかり思ってた下人がスマートな頃の上田吉二郎でビックリした。