だが負ける瞬間までは勝負を投げずに戦うべきだ

スターチャンネル「タイムマシン(80万年後の世界へ)」。冒頭や時間旅行の描写、アニメーション主体のトクサツ、そしてラストのまとめ方が凄く上手かったぶんも、ずさんで冗長な未来世界(しかもクライマックス?の脱出シーンはドリフのコント並)はまるっぽ要らなかった気が。もっともこれがないとハナシが成立しないけど。つかひ弱な未来人のへなちょこパンチで絶命する地底人類モーロック弱ッ。日本版ポスターが実にカッコ悪いジョージ・パル監督版で1960年。当然みたいに作られてる近年のリメイクはどうでもいい。

ヘミングウェイ全短篇「勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪」読了。以前に読んだ短編集と重複する何篇かも含めて、絶賛の新訳のおかげさまで面白く読めたけど、その訳者の解説でヘミングウェイの作品全般(喩えそれがどんなに陽光に彩られた作品でも)に通底する、読者を憂虞させる陰影の理由が氷解したのはいちばんの収穫だった。表題作「キリマンジャロの雪」はペックの映画が観てみたい。

仕事の帰りに久しぶりに大阪は此花の伝法町に立ち寄ってみたら、母校の伝法小学校にほど近いカバヤの工場がきれいさっぱりなくなっていて驚いた。下校中、前を通るとチョコレートの香りがするのが楽しみだった、門構えの立派な工場だったのが実に惜しい。怪獣好きな限り思い出とも切り離せることはないわが生地だけど、毎日のように遊んだ市営住宅も建て直されたり、七夕の笹を流した川は完全に埋め立てられたり橋は落とされたり、やっぱり40年も経つと地形以外はどんどん変わってもの寂しい。