その通りだ、それが生きてることの価値だ

vakisim2014-08-29

お借りしたディスクから「スモーク」。古谷三敏の「レモンハート」で紹介されていたときから観たかった映画で、冒頭の「煙の重さの量り方」からいきなり気が利いている粒揃いのオムニバス。ハーヴェイ・カイテルがいちいち良かったのも無論で、彼が語るクリスマスのエピソードが「Innocent When You Dream」に乗って、まさかの映像化されるエンディングは思わず声が出てしまうことうけあい。カッコいいタイトルに釣られて観た「アルタード・ステーツ」くらいしか馴染みがなかったウィリアム・ハート(ずいぶん老けてたけど)も、本屋でのやりとりやハーヴェイ・カイテルが撮った4000枚の写真のなかに在りし日の奥さんの姿を見つけるシーン、雪山や戦時下の作家の挿話など、こちらも洒落た演技が実に上手かった。自分は嫌煙派だけど、この映画(と「怪奇大作戦」)だけはタバコもいいかなあと思ってしまった。あとウソも方便とはよく言ったもん。ウェイン・ワン監督で1995年。みんなも観れ。