いたはししゅうほうと

スターチャンネルフレンチ・コネクション」。ジーン・ハックマンが好きか嫌いかで評価が分かれると思う映画。ちなみに自分はどっちかと言えば後者で、しかしそれをさっぴいてもウィリアム・フリードキン監督のリアルな絵作りがとことんまで機能して、恐ろしくスリリングで面白い映画に仕上がってると思う。地下鉄とムスタングチェイスは言わずもがな、フェルナンド・レイとハックマンの丁々発止の地下鉄の尾行劇がやっぱり白眉。同僚を射殺したハックマンへの表情がバツグンの「ジョーズ」以前のロイ・シャイダーも良かった。1971年。後年の映画の「ポパイ」は劇中の愛称通り、是非ともハックマンに演じていただきたかった。

イマジカ「シンバッド七回目の冒険」。ハリー・ハウゼンの参画した映画は氏のダイナメーションだけを楽しむのが正解。特にこの映画は観るたんびそう思う。ちなみにサイクロプスはフリークス具合があんまり好きじゃない。でも骸骨剣士はアルゴノウツ版よりこっちのが好き。ネイザン・ジュラン監督で1958年。

タイガーマスク」はワールドリーグ戦まで。錚々たる原画の布陣で大半が上手いにもほどがある作画に、こちらのツッコミが5秒で解消されるアタマのいい文芸にうならされっぱなし。つま先立ちっぽい動きのエンディングは、のちのエイケン国保誠の絵ではあるまいか。とまれ少数精鋭だった往年のアニメは作画が当たりの回は30ぷんまるまる上手いし、はずれの回でも文芸や演出が良ければ充分観られるしで、どっちに転んでも安心して観ていられるのがいい。

絵がせんぐら的に惹かれるものがあってATXワルキューレなんとかってアニメの再放送を観てみたが(黒髪と天才少女の決闘みたいなハナシ)、これが現在のアニメの通常運転だと考えると、改めて「Wake Up, Girls!」の登場はこれはもう奇跡と言って問題ないと思ったような次第(などと感慨に耽りつつ今日も今日とてWAGを観る)。