いかんぞなもし!

久しぶりに普通の大型書店に行ってみた。文庫はどのコーナーも漫画みたいな表紙ばっかりでいたたまれなかったけど、ミシマとかヘッセがずらっと並んでるのは古本屋ではなかなかお目にかかれない眺めでで結構うっとりする。とか言って買ったのは吾妻センセの「アル中病棟」。しかしハヤカワのエスエフっていま全然揃ってないのな。

日本映画専門チャンネル「正午(まひる)なり」。カネやんの実子の金田賢一原田芳雄のケツがいっぱい拝める映画。しかし丸山健二の原作に全然まったくカンケーない役どころの原田は友情出演に毛が生えたみたいな出番なのにやたら存在感があるのはサスガ。鬱屈した青春像に凝ったカメラ、さらに真夏の正午が生みだす虚無感がいかにもATGで自分は好みのタイプの映画。ラストの森から河原の一連なんかベルトリッチの「暗殺の森」の粛清シーンに勝るとも劣らない(個人の感想です)名シーンかと思う。原作のイメージを大きく損なってないのもいい。メインタイトルの音楽もカッコいい。ジャッカー直後の林家源平が出演しているのは余談。後藤幸一監督で1978年。