魔天郎

男はつらいよ・望郷編」。いつも通り前半と後半で別の映画のようで、酷いマドンナが登場する後半よりシリアスな前半の方が松山省二の好演もあって面白い。なかでも松山の機関車を寅さんが無言で見送るシーンは北海道のロケーションも効果をあげて最高だった。映画と関係ないけど消え行くSLの勇姿をさまざま捉えたフィルムも貴重ではないか。しかし寅さんの舎弟役の秋野太作は「熱中時代」の田丸先生の印象が強すぎて、啖呵売りの姿にいつまでも違和感があるよな。浦安で寅次郎が自転車で走るシーンの背景に「決戦!南海の大怪獣」「巨人の星・宿命の対決」と「海底三万マイル」の捨て貼りのポスターが映るのもノスタルジックでいい。山田洋次監督で1970年。

ATXはたらく魔王さま!」。ルシフェルとの決戦が終わった途端に目に見えて失速するのはいかがなものかと。例によって決戦までが単行本の1巻だったのかしらん。