美しき魔王

日本映画専門チャンネルクラッシャージョウ」。ガンダム以降のやっさんが監督に脚本まで関わった映画が面白くなる道理もなく、かといって本業のアニメーターも女の子が可愛くもなんともないのは平常運転として、いまどきのアニメ映画なら兎も角、当時の、しかも鳴り物入りの劇場作品にしてはあまりにもずさんな作画でビックリする。スターウルフみたいな音楽もカッコいいオープニングのアルフィンやリッキーのさらさらヘアーに騙されてはいけない。さらに竹村拓の声がミスマッチにもほどがある主人公のジョウはもとより、善悪双方、キャラクターの誰ひとり(あえてタロスくらい?)感情移入できないのも致命的で、作画のお遊びは無論、やたら絵と流れを崩しては挿入される寒いギャグもきっぱりアニメファンをバカにしてるレベル。と言うわけでミネルバにファイターにガレオンから、ウルトリアにそっくりのマーフィーパイレーツの戦艦まで、きっぱりスタジオぬえのメカニックがカッコいいだけの映画。そんでいちばん面白かったのは主題歌をぶった切ってENDが出るところ。お前はNHKのど自慢か。

ちなみにこの「クラッシャージョウ」、公開当時、なけなしの小遣いで前売券を買いながら、しかし例年になく多忙な春休みで観にいけなかった遺恨があったけど、当時観なかったのは良かったのか悪かったのか。まあだいたい「ガンダム人気のおかげさま好きなことをやらせてもらいました」ってのたまってるアニメーターの御仁に一括任せる方がどうかしてるんだけど。