ヴェネツィアに死す

トオマス・マン「ヴェニスに死す」読了。読みふけってるうちにドイツ文学であることすっかり忘れてしまったくらいスマートな筆つきで、これは翻訳の実吉捷郎がよほど凄い人なんだろうと思ってたら巻末に不世出のドイツ文学者みたいなことがきっちり書いてあった。初老の主人公アッシェンバッハが恋焦がれる美少年タッジオを尾けてみたり、タッジオに見合うよう白髪染めや化粧で若返って満悦してみたり、パーフェクトな世界観のなかにもユーモラスな描写が織り込んであって、また改めてじっくり読もうと思うくらい面白かった。

亀山助清と言うとやっぱりパルテノン・プロの木所さんにおかまのカッパであろうか。オープニングで顔が切れてたのが悲しいピエールをやったときは緒方賢一のハーケン特別攻撃隊龍田直樹のブーツホルツぐらいなんでやねん!と思ったもんだけど、声を聞くとなんかほっとする、実は結構好きな声優さんでした。ご冥福お祈りいたします。