魔神斎

vakisim2005-10-03

仮面ライダー響鬼。さじ加減が絶妙だった布施明編から一転、子供好きのする品のないギャグは巨匠石田の素ン晴らしいセンスの賜物として、鈴村演出のオープニングもブレイドの後期オープニング同様、そのへんで30分くらいで撮影したようなチャチっぷりはいただけない。

劇場版仮面ライダー響鬼。スーパー時代劇を上手くまとめあげた井上脚本は劇場版ブレイドから一転、目だって破綻もなく、その冗長に過ぎる展開は、むしろ坂本太郎の演出こそ論うべきである。所詮は不思議コメディ路線の出身者なら、ゴミはゴミ箱へ、浦沢義雄あたりと組んでいるのが正解。なによりタイトル前の鼓騒する鬼たちが最高に見栄えしたぶん、そのユニークなデザインを陵駕する活躍が本編に終ぞなかったのは残念だった。

劇場版マジレンジャー。父性を乗り越えてヒーローになり得たレッドが、祖先や花嫁に妄執するエディプス・コンプレックスの権化みたいな檜山声の悪者を倒すシンプルなプロットを、劇場版ならではの豪華なgadgetでデコレーションした1級のエンターテイメント映画。幾たびやられても甦るマジシャインの超然さと、戦隊シリーズならではのこっ恥ずかしさを体現したマジグリーンのキャラクターも出色だった。

ファミ劇の「大鉄人17」は「地上最大の巨人頭脳」から、自我に目覚めたブレインが創造主ハスラー教授をもその支配下とするラストシーンは、本放送の衝撃もそのままに、特撮史上に残る名場面だと思う。登場するハリケーンロボットも不気味な単眼の意匠と、通過点が次々と大爆発する力技の矢島演出も言うことなし。

その同じ脚本家・上原正三が執筆したウルトラマンマックスの「ゼットンの娘」「恋するキングジョー」の二篇をKKK氏から後学に見せていただいたが、ハナシも絵も、まさに低能の一語に尽きる。