2013-03-08から1日間の記事一覧

青春を無駄にしたものの精神の空虚さが滲み出ていた

高橋和己「日本の悪霊」読了。450ページのボリュームに加えて、該博な語彙の訴求力で恐ろしく読み応えがある小説だった。死に切れなかった元特攻兵の刑事、微罪で投獄されたかつての革命の烈士、この表裏一体の二人の主人公の胸中に渦を巻く世の愚昧なものへ…