僕の名前はバローネです

カルロ・レーヴィ「キリストはエボリで止まった」読了。紀伊国屋で平積みになってて、タイトル(キリストはエボリで止まってガリアーノに届かず、キリスト教徒でないガリアーノの我々は人間ではない、ということらしい)に惹かれて衝動買いした本。これが素晴らしく面白かった。政治囚の著者が、流刑された寒村ガリアーノの苛烈な現実を透徹した視線でつむぐイタリア文学とあるけど、全編に渉って奇妙に明るい印象があるのは、南イタリアの乾いた空気と、その貧しさ、病気の凄惨さがあまりにも現実離れしてるからだろうか。そして恩赦で放免されることになった著者が、知らず育まれた流刑地への愛着から離れがたくなるラストは感動的。おすすめ。

マーミットの一期グレー版を手に入れたら逆にアンドロメダは絶対にブルー版だと確信したワシ。