心の襞

ファミ劇の「横溝正史シリーズ・悪魔が来たりて笛を吹く」全5話。いまさらファミ劇を誉めるなんて夢にも思わなかったけど、続きモノの一挙放送は実に精神衛生によろしい。小学四年生だった当時、これを偶然観だしたのがこのシリーズと続く森村誠一シリーズを俯瞰したきっかけで、そのぶん思い入れもひとしおの番組なんだけど、いま観ると実にビミョーな展開に加えて推理モノの爽快感がまったくないのはいかがなものかと。やたら豪華なキャスティングに翻って、きっぱりシリーズでもハズレの部類ではないかと思う。

ところで長くても5回くらいだった横溝正史シリーズに比べて、続く森村誠一シリーズの「人間の証明」(その前の篠田三郎が珍しく悪役だった「腐食の構造」は7回)は3ヶ月以上の長丁場で、一体いつ終わるねん!と10回くらいで見限ったら知らん間に終わってて、さらに続いた「横溝正史シリーズ2・八つ墓村」の第1回を見逃してしまったのはまぬけな思い出。