おコロッケ

お借りしたDVD「女だけの都」。フランドルのとある町に暴君と名高いスペインの旅軍が投宿するにあたり、怯えるばかりの男たちを尻目に機知を働かせた町長夫人以下の女性陣がこれを歓待して、なんらことなきを得るおフランスのコメディ映画。昭和10年にこんな作品をさらっと撮れるウイットと、重厚な町のオープンセットを丸ごとひとつ作ってしまう美術が凄い。スペイン軍の兵士らから紳士的な態度を引き出す婦人らの奮戦ぶりに、相手を尊重することで誤解や争いを霧散させる考え方は現代人も見習うべきではないかとも思った。監督は「ミモザ館」のジャック・フェデー。1935年。

おフランスと言えば大概のものは「お」を付けると上品になるとサザエさんでもやってたけど、「おたから」だけは何故あれほどまで下品で浅ましくなるのか謎だ(まあ好んで使ってる連中の大半が賎しいからなんだろうけど)。

トルストイ「少年時代」読了。ロシアの文豪の筆致とは思えないほど瑞々しく、共感できる部分も少なくない小説で面白かった。少年期の著述に不可欠な親友が最後に登場するのも上手かった。しかし挿話的に登場する、不幸体質にもほどがあるカルル・イワーヌイチは気の毒すぎる。ちなみに「幼年時代」は読んでません。

ATXライジンオーを観ようと思ったら心からどうでもいい声優の特別番組が録れていた。以前「お兄さまへ…」やガルビオンでもそれぞれいっぽん録り逃したときもそうだったけど、リアルタイムでテロップが流し見できるヒマ人ばかりが加入者でもあるまいし、しかも視聴料の高いチャンネルが気軽に編成を変えないでいただきたい。