空を飛んだチャコ

夏色キセキ」の再放送が終了。パッケージ版は作画も比較的安定して、いまどき珍しい着地点を設定した内容とも改めていいアニメに仕上がっていたと思うけど、それだけに(前にも書いたけど)これに続編をつけようと言う、個人的には「宝島」の続編を作るのと同じくらいの愚行はどうにかならんかったもんなのかと心から残念に思う。

レッドタイガー。序盤の科学ドラマ路線は圧巻だったけど、方向性を見誤らなかったガンバロン的な展開に、「特捜最前線」の短縮版のようなドラマが挿話される最終クールもまた長坂脚本の真骨頂として実に味わい深い。なかでも無敵のレッドタイガーを向こうに一歩も譲らない、クイーンギルバ様の八面六臂の奮戦ぶりは見逃せない。翻って列強の指揮官から紅一点の女幹部への転換は、文弥さんの途中降板から推測できる大野幸太郎社長の引退と、それに伴う大野剣友会の弱体化を垣間見るようで寂寞感を禁じえない。それと同時に大野剣友会との美談を大いに売り物にしている東映やそのほか諸々にとって、ライダーブームの立役者すら簡単に見限ることができる澆薄な商業主義を露呈することになるレッドタイガーは、いまや表立つとかなりまずい番組ではないかとも思う。