少年の心を持った大人たちへ…

澁澤龍彦「少女コレクション序説」読了。読み進めるうちにタイトルと内容がどんどん乖離していって最後はマンドラゴラのハナシになったりするけど面白かった。ちなみに「自殺されちゃった僕」のあとがきにて、ソンケーする春日武彦先生が“澁澤龍彦を読んでいる自分たちが高貴だと勘違いしているようなクズ”みたいなことを書いてらっしゃって読んでみたかったような按配。そんな先入観でどんなコーショーな内容かと構えてみたけど全然そんなことなく、澁澤先生ともどもお友だちの野坂昭如とミシマをたして2で割ったような印象でとても親しみやすく読みやすかった。恐ろしく博識な内容だけに拾いどころも多岐にわたって、成人向けの同人誌をやらせてもらってる自分には11箇条を擁する「ポルノグラフィを巡る断章」がなかんずくためになったけど、生物学の面が強調されて快楽面が損なわれてしまう所以、かつてはポルノのタブーだったと言う「妊娠」がいまやメインコンテンツのひとつみたいになってるのは時代のもんかしらんと。併せて発刊から30年が経って巷にこれほど男性向けのドールが溢れかえるとは、澁澤先生も夢にも思わなかったのではないかしらんと。あと「分別のある大人は玩具などと言う無益な形而上学的なものには情熱は燃やせない」の一節が利いてるなあと思った。

東映チャンネルのグレンダイザー。ゲドゲド戦はゴミみたいなハナシに反比例して凝りに凝ったロボット戦の演出と、荒木伸吾に最も近かった男・菊池城二の作画で見応えがあるハナシ。そしてギロギロ戦で馬嶋満が新マンのサータンみたいなハナシを引っさげて参入。そら傍から観てたら大介さんのキャラの弱さはヤバいと思うよなあ。しかし歴戦の勇士の甲児くんに「キミはまだ本当の戦いを知らない!」と言い切る大介さんって一体。