梶原さん、マガジンの佐藤紅緑になってほしいんです

「評伝・梶原一騎」を一読してから気になっていた佐藤紅緑の「ああ玉杯に花うけて」を読む。昭和2年にときの「少年倶楽部」に連載された、そして同誌を一躍、人気雑誌に急伸せしめた少年小説で、忠君愛国と立身出世に彩られた誌面の美しさにはまったく言葉もない。「少年倶楽部」には歴史的な誌面への評価に翻って、少年読者らをファシズムへ走らせた戦犯メディアとのそしりもあるらしいけど、「ああ玉杯に花うけて」はそれだけの影響力は秘めていたと思う。

そんなこんなで先達への畏敬に打ち震えながら読み進んでいたところ、いきなり終盤、16ページがまるっぽ乱丁とはどないなっとんねん!

あとアパッチ野球軍の胚芽を見るような一章があって、花登筺も愛読者だったんかしらんと。

サンテレビで「山ねずみロッキーチャック」やってんの見つけてなんぼんか観る。もりやすじと宇野誠一郎の生まれたときからじいさんみたいな2人が絵と音を担当してるおかげさまかしらん、なんしか奇妙な包容力を具えた番組ではあるけれど、バージェスが目する野生動物のシリアスな生態と、コミカルに擬人化されたキャラクターの並存が全然まったく成功してない、きっぱり失敗作。ついでに音楽もオープニングとエンディングとサブタイトルで力つきてる感じで、懐古以外で評価してる人はちょっとどうかしてるか、あるいはちゃんと観てない人だと思う。

それはともかくどっちも岡迫センセが描いてるからかしらん、ロッキーのガールフレンドのポリーが小さな巨人・里中くんにそっくりなのが気になって仕方ない。

東映チャンネル「宇宙鉄人キョーダイン」。メインプロットを消化した途端そのくそみたいな真価を発揮する藤川桂介はサスガとしか言いようがない。