大物だァ!

vakisim2013-04-26

チャンネルNECO経営学入門・ネオン太平記」。オープニングの桂米朝師匠と小松左京のサラリーマンコンビから始まる友情出演のメンツとその飄逸な演技がとにかく楽しい。これだけでも観る値打ちがあると思う。なかでも京都弁のオカマを演じる加藤武が最高。それら列強を向こうに摘発、強盗、離婚騒動に火事と次々にやってくる奇禍をものともしない商魂たくましいアルサロの支配人、よく言えば求道者、悪く言えばオタクだったエロ事師のスブやんと正反対の主人公を、小沢昭一が見事に演じ分けているのが素晴らしい。とりわけ野坂昭如が司会者を務めるワイドショーでの語りは圧倒的だった。さらに随所にインサートされる在りし日の大阪の情景も大阪人には感慨無量の一語で、ラストは総勢300人のホステスたちの御堂筋マラソンで実におおらかに括っている。今村昌平の門下の磯見忠彦監督で1968年。原作の「起業防衛」ってタイトルがカッコよすぎる。

そいやいま読んでる「果てしなき逃走(ヨーゼフ・ロート)」のなかに「人間は誰しも半身から成っている。そして誰もが足よりも手をより高等な部分だと見なしている。」なる一節があって、小沢昭一の水商売への信念に照らしてなんかタイムリーだなあと。

カートゥーンネットワーク科学忍者隊ガッチャマン」「悪魔のファッションショー」。おフランスのライブラリー盤、モンパルナス2000からの流用曲が始終流れてるのとファッションがテーマのおかげさま、普段の二割り増しくらいでお洒落な感じに仕上がっているエピソード。ついでに湖川御大が原画に入った作画が竜までウットリするほどカッコいい。ローラーゲーム人気に便乗してブーツにローラースケートがどないねんの科学忍法バードホイップはご愛嬌。

キッズステーション新造人間キャシャーン」「キャシャーン無用の街」。人間椅子に人犬に人間燭台と、ご存知キャシャーンでも屈指の鬱エピソードだけど、シナリオにあった母娘のシーンを原征太郎が演出でオミットしたことで女性キャラがまったく登場しないぶん、いささかでも救われている気がする。これが富やんだったらさらなる地獄回だったに違いない。ところでキャシャーン塩山紀生の絵が分かり易すぎる。トルーパー大好きクラブのままるに拠れば目を瞑ってるカットだとなおテキメンらしい。