それが「猿」だった。私はそれを予期していた

大岡昇平「野火」読了。戦時下のカニバリズムを描いて、ここでも蝿が抜群の効果をあげていた。実際、狂気への道程に蝿ほどベストな小道具はないのではないか。そして当節の文学もれなく古典の模倣と土屋嘉男が劇中で陳ずる「マタンゴ」も実は「野火」の模倣だったのはいかがなものか。

そう言えばハゼドンにらとちゃんそっくりのキャラがいたような。