ランカスターだ!ジェロニモー!

古本屋にて。いまさら全冊制覇の再開試みてヘッセの「郷愁」を買った直後にウェルズの短編集「モロー博士の島」を見つけて5分くらい悩んで後者を先に読むことにする。アナクロニズムが格調高くロマンを加味する素晴らしい空想譚。巻頭を飾る表題作と同じ冒険ユートピアの小品「エピオルニス島」からいきなり面白い。うっかり半徹して一気に読んでしまった。もいっかい読んだら読書家の訳あって以下略に送ってこの感動を共有しよう。

ウェルズと言えば宇宙戦争と言えばよっつの家庭の危機を地球の危機に照らして描いたトンチキ映画「インデペンデンス・デイ」が早くもリメイクされるらしい。どうせなら日本の「忠臣蔵」みたくアメリカ万歳で毎年作ったらどうか。

テレ朝チャンネルの「ジャッカー電撃隊」は、「赤い大逆転!!軍団を攻撃せよ」を放送。今回で一応の降板となる田中浩の魅力が横溢するシリーズ屈指の傑作で、やっぱり東映ヒーロー番組ファン必見。風戸佑介と少年の交流や、クライムの攻撃に白目を向いて縊死寸前みたいな伊東平山の迫真の演技も見どころ。ついでに丹波義隆の「だが行かなければならない!」がサスガに丹波哲郎の言い回しにソックリでカッコいい。各種資料と違って新井光の筆になる同タイトルのシナリオは、ジョーカーのクライム要塞潜入からやや冗長な印象があって、名誉の負傷を痛がるジョーカーで幕を下ろすラストも完成作品に軍配が上がる。なによりクライマー軍団をダイナマイトで粉砕するジョーカーがなかったのは残念。でもミッチーラブの名台詞「ノゥサンキュウね」はちゃんとある。ちなみにシナリオではスクラップ軍団はブラック、グレイ、ブラウン、ダークの呼称があって、これを操るデビルスクラップは自身が合体と分解を繰り返してはジャッカーを攻撃する強敵だった。竹本演出とも印象に残る「スペードエース若き獅子」のインストは、次回から新規で作曲されたようなハマり具合でビッグボンバーのテーマに流用される。