起こってしまったことを起こらなかったことにしたくない

ヘッセ「旋風」読了。これも現在は絶版本。表題作と併録の短篇とものちの名作の草稿みたいな趣きがありながら、なんか妙に老成した感があって、それはそれで情緒があっていいんだけど、後出の「デミアン」や「車輪の下」みたいな瑞々しさも欲しかったなあとは思う。

漫画が上手いだけでなぜコンバトラー隊に入隊できたのか謎すぎる大作がドスブレッカーの衝撃ぐらいで気がつくのならコスモバードが特攻する必要なんかなかったんじゃね？と思ったら脚本が僕らの藤川桂介大先生だった今週のコン・バトラーＶの前半戦。辻真先先生以下の脚本陣がしのぎを削って序盤から心配になるくらい畳み掛けるような展開のなか、まったく空気を読むことなく、以前のどれい獣キール戦とも実にどうでもいいハナシをひとり挿話しては視聴者を和ませてくれる先生はサスガというほかない。帰れ！

しかしハナシも絵もサイテーの前半のぶんも五武冬史の脚本ににやっさんの入った絵の後半は実に面白かった。ちずるのシャワーシーンのカセットレーベルがアニメイトで売ってたのも懐かしい思い出。ついでにどれい獣ゲルゾもどれい獣のくせにカッコよくていうことなし。