ジェロニモー!

仕事先のひとにお借りした「浮草」。浮草=旅芸人を主役に据えて、暗雲低迷を旨とする邦画の見本みたいな展開の一方で、中村鴈治郎演じる嵐駒十郎をもって百折不撓を謳う映画。篠つく雨の中で鴈治郎京マチ子が罵りあう(つか鴈治郎が一方的)シーンが圧倒的。盛夏の港町のスケッチがうっとりするくらい美しい。松竹でない小津安二郎の監督作品で1959年。ちょい役で笠智衆も登場して、いつもの大根っぷりを披露してくれる。

スターチャンネル「雨を降らす男」。メガフォースのクロスワードのシーンでお馴染みバート・ランカスターの主演で、後年の大傑作「エルマー・ガントリー」の原典になったみたいな映画。ランカスターが演じる詐欺師スターバックの屈託のない笑顔や軽いフットワークに観ているこちらも自然と楽しい気分になる。そんなスターバックにわざと騙されるキャサリン・ヘップバーンの家族らはじめ、梶原一騎の漫画のそれみたいにいちいち察しがいいキャラクターも実にスマートでいい。ジョゼフ・アンソニー監督で1956年。

東映チャンネルのグレンダイザー。荒木作画でダブルスペイザーが颯爽と登場。そしてZは完全に退場。しかし歴戦の勇士だった甲児くんをとことん一般人扱いする大介さんは、サスガは宇宙人といわざるを得ないのか?